双花焔恋(少陰長編)

□再
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 忘れてしまいなさいと、誰かが言った。

 私のせいだ。その悲しみに、お前が凍えてしまわぬように。

 そう、彼は。





 悪しき夢、幾たび見ても、身に負わじ。





 私のせいだと、彼ははもう一度そう言った。



 そんな顔をさせたい訳ではなかった。

 愛しいという気持ちが誰かを傷つけると、その時初めて知った。





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