双花焔恋(少陰長編)

□烈
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 死ね、死ね、死ね、――お前など。


 胸に無数のひっかき傷が刻まれて、しつこい痛みがじくじくと頭の中をかき回す。




 生まなければ良かったなどと、言われなくても知っている。


 この世に生まれた瞬間から罪を負ったこの魂。


 今更咎が増えたとて、なんの問題がある?





 全てが滑り落ちていったこの掌。――ひとつくらい、永遠に留めておいても良いだろう。







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