その他Novel

□蕎麦乱闘記
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黒の教団総本部。
つい今しがた、アレン・ウォーカー、帰還。




「あ〜……お腹減ったなぁ〜……。」

そう一人ごちしながら、アレンは食堂へと向かっていた。
度重なるAKUMAとの戦闘に駆り出され、精神、身体的にも、もうヘロヘロな状態だったのだ。
しかも、食事をする暇もなく帰還したので、お腹も限界だ。
ちょっと覚束ない足どりで、食堂へと入る。

「あ、あんな所に神田が!!」

食堂の隅の方を見ると、片思いの相手、神田ユウが黙々と食事をしていた。
少食なのは知っていたので、中々減らない彼の皿を見ても、さほど驚かなかった。
神田を一瞥し、食堂の料理担当、ジェリーの元に向かう。

(そういえば、神田は蕎麦を食べてたよね……。そうだ!!僕も久しぶりに食べてみよう!!)

頭の中で蕎麦を入れたメニューを組み立てると、アレンは直ぐさまジェリーの元へ走る。

「すいませ〜ん。注文良いですか〜?」

アレンの言葉に向こうから、サングラスをかけた二つ縛りの男がやってくる。

「あらん?アレン君じゃなぁ〜い。久しぶり〜ん。元気にしてた?」

「はい。なんとか大丈夫です。」

アレンはにこやかに答える。
そう。
この男こそ、教団の胃袋を支える、教団の食堂担当、ジェリーだ。
本名は不明。

「それで?ご注文は?」

「え〜と……カルボナーラと……シチューと……。」

次々に注文の品を並べていく。
ファインダー達が驚きながらアレンを見る。
まあ、いつもの事なので、アレンは全く気にしないが。

「あッ!後、蕎麦もお願いしますっ!!」

「あら?蕎麦ねぇ〜………。」

急に押し黙るジェリーに、アレンは不思議そうな顔をする。

「ゴメンね〜?アレン君!!調度、お蕎麦切れちゃったのよん!!」

「え゙、そうなんですか……?」

切れてしまったものは仕方がない。
ちょっと惜しい、いや、かなり惜しいものの、アレンは蕎麦以外の物を受け取り、神田の隣が良いものの、適当に座る。
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