その他Novel

□じい様、侮りがたし
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赤い虎は緑のふくろうに謝りながら内心苦笑した。
まさかこんなにも緑のふくろうが気になるとは思わなかった。
最初は営業スマイルだけだったが、毎日来るようになってからは素も出してくれて、更に感情も表してくれて、いつの間にか赤い虎は緑のふくろうのその内の柔らかい心に惹かれてしまっていた。
それを知ってか知らずか、紺のふくろうは毎回穏やかに笑いながら見守ってくれている。


「少輔も食べるな?」

「そうだね。
いただこうかな。」


そんな会話をしながら、緑のふくろうは赤い虎から渡された魚を手に裏手に消えた。
どうやら料理を直ぐに始めてくれるらしい。
赤い虎はふくろうの料理にありつけると内心ガッツポーズした。
因みに料理と言えば青と蒼の猫二匹を思い出すのがこの村の住人だが、青の猫の料理は競争率が無駄に高く、蒼の猫に至っては、「オレの飯は基本Darling専用なんだよ。」と一蹴されてしまうのだ。
無論、そんな事は赤い虎には無問題である。
知られてないだけで緑のふくろうの料理はとても美味しいし、何よりあの緑のふくろうが作った料理だ。
赤い虎にとって美味くないはずがなかった。


「………源次郎君は本当によくここに来てくれてありがたいよ。
私達も退屈しなくてすむ。」

「そうですか?」


緑のふくろうが料理をしている間に紺のふくろうが穏やかに笑ってお茶を出しながら言った。
それに対して赤い虎も笑い返す。
多分、このふくろうには魚好きというイメージを持たれているだけなのだろう。
赤い虎としては複雑だったがそれで良いかと思った。
赤い虎はお茶を飲みながら思う。
下手にバレて、ないとは思うが出禁にされるよりはマシなのだ。
緑のふくろうに会えないなど、考えただけで絶望する。
だからこれで良い。


「………でも、ふじは手強いよ?
まぁ、これも君達の歴史だから見届けないとね。」


ぶほっ!
赤い虎が飲んでいたお茶で噎せた。
まさかの発言だった。
どこまで気付いているのだろうか。
思い切り核心をついている。
赤い虎が困惑している中、更に紺のふくろうは穏やかに笑いながら話を続ける。


「でも、君になら任せても良いかな。
頑張ってね?
源次郎君。」


緩いように見えていた博物館館長は、やはり伊達ではなかったようだ。
緑のふくろうが少し離れた所で料理する音をBGMに、赤い虎は驚きで目を白黒させるしかなかった。






続く、のか………?



ノリで書いた。
キャラ掴みきれてないよ!
でも少輔さんは鋭いよ!
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