その他Novel
□蕎麦乱闘記
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(う〜ん……でも、蕎麦………食べたいなぁ………。)
つい、蕎麦のある神田の方を見てしまう。(好きなのもあるが)
食べれないとなると、気持ちは反比例して、もっと食べたくなる。
神田の方を見ると、やはりあまり先程より食は進んでいない。
(もうダメだ!!蕎麦!!!!)
アレンの頭の回路がついにぶつんと切れた!!
だだだだだっと、神田まで突進していく。
そして――――。
―――バサッ
「あ!!テメェ!!何するモヤシ!!」
アレンは神田の蕎麦を、ぱっと取ってしまった。
突然の事に神田は超うろたえながらも、アレンの行動に食いついてくる。………確かに、自分の食べ物を突然奪われたら、誰しも怒るだろう。
「すいません神田!!でも、どうしても僕、蕎麦が食べたいんです!!」
「んな事しるか!!返せ!!俺の飯!!」
神田の怒りの形相にも怯む事なく、アレンは言った。
その様子に、周りにいたファインダー達がすごすごと散っていく。
「巻き込まれたら大変」と分かっているようだ。
「嫌です!!僕はどうしても蕎麦が食べたいんです!!」
「こんのモヤシ………。」
不毛な争いが続く。
このままではラチがあかないと考えたアレンは、蕎麦を持って走りだした。
「あ!!モヤシッ!!テメェ!!」
神田もその後に続く。
流石に自分の昼食だ。他人に渡すなど、言語道断らしい。
こうして無謀で不毛な意味のない「おいかけっこ」が始まってしまったのだった。