捧げ物Novel

□雫 〜ラメント〜
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何時しか風花は牡丹雪に変わっていた。

冷たいけど、関係なかった。
だって彼が暖めてくれるから。

魂を、愛しさで。

………ああ、胸に暖かいモノが積もっていく………。
凄く、心地良い………。
………「幸せだ」と不覚にも思った。



光が湖に射した。
光源は、月。
丸い月。
満月。
それは水鏡に映って………。


酷く、儚かった。

その儚さが、まるで僕達の運命を現しているようで………。

酷く、切なかった。



「舟、乗ってみるか?」

彼は僕が湖を見詰めていたのに気が付いたようで、にこりと笑って提案してくれた。

その笑顔がやはり何処か切なくて、僕は只黙って頷いた。



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