抱きしめたくなる10のお題
□甘い涙
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「まぁ、昔よりはしっかりしましたけれど、
ファイさんが元気がないときは、貴方まで元気がないではありませんが。
そわそわしてますし。」
「はぁ？！」
薩摩に、黒鋼が思いっきり叫ぶ。
そんなにバレバレだったのか、と黒鋼は内心冷や汗をかいた。
忍者として失格だ。
任務に集中しなければならないのに、自覚すらしていなかった。
…とはいっても、最近は鍛錬ばかりで任務はないのだが。
「…黒鋼。ここは、鍛練場です。
私事は持ち込まないでくださいね。
くれぐれも名折れの失態を犯さないでくださいませ、と月読様からの伝言です」
「…わかってる」
不機嫌も露わに、黒鋼が背を向ける。
「これも月読様に奏上すべきでしょうか…」
なんだか今日も騒ぎが起きそうだ、と彼女はまた一つため息をついたのだった。
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