saloon
□ゆーやけコンビニ
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「いらっしゃいませー。」
放課後のコンビニ。
今日は給料日だ。
──やったー、桃香と遊べるぜー☆
まあ
「貢がされる、の間違いだろう」
とクソシトには絶対言われるが。
はっ、クソシトのゆー事なんか俺は気にしねえ!
「いらっしゃいませ〜!」
いつになく俺がウキウキしていると、
「あ。チカちゃん。来ちゃった。」
芝の奴が来やがった。
相変わらずのキレイな顔。
キレイな体。
キレイな髪。
キレイな声。
「お前…、なんでここが?」
「ああ、こないだチカちゃんが言ってたじゃない。」
「そう…か?」
それより。
この間の出来事から俺たちは敵になった。
もしかして俺の事を殺しにきたのかも、なんて。
やはり、なんとなく気まずい気がする。
「芝…、
「ここがチカちゃんのバイト先か〜。」
…のは俺だけか?
相変わらず、芝は人の言葉も聞いちゃいねえ。
新発売のおにぎりを手にとって、これ旨そう、とかなんとか呟いていて。
──数分後。
「チカちゃん。お客さん、あんまり来ないねー。」
「………」
何故だっ!
なぜこいつはずっとここにいる!
なんか、コンビニのエプロンを付けた自分の姿が間抜けに思えてきた…
はぁ。
「チーカちゃん。」
「は─…」
とりあえず、
俺を狩りに来たのでは…なさそうだな。
俺は少し嬉しくなった。
「れーいちろーくん、折角来店してなさったのですから、何か買っていきなさるはどうです?」
「…─チカちゃん、敬語、なんか微妙だよ。」
「///…う、うるせぇぞ芝!俺は敬語なんか使い慣れてねーんだよ!」
夕方。
誰もいないコンビニ。
夕焼け色の西日が差して、少しまぶしい。
「ふぁ…ちょっとねみぃわ。」
「あんまり寝てない?」
「うーん、最近忙しくてさ。」
「あぁ…じゃー、ちょっと寝る?俺、バイトってやったことないからやってみたいんだよね」
「じゃー寝させてもらうわ。よろしく。
ふぅあーあ」
大あくびをして、俺はうつらうつら、寝てしまった。
気怠い微睡みの中。
「……チ…俺…退…けど…」
途切れ途切れに耳が言葉を拾って、目が覚めた。
でもやっぱり眠いので 寝たまんまの姿勢でいると、
「チカちゃん。すごい、好き。」
──ちゅっ。
唇に何か柔らかい物が重なった。
えっ、これ、まさか…まさかな!ははー!
軽いパニックになって目を開けると、芝のキレーな顔が俺の顔の真正面にあって。
「えぇぇ、あ、はははは」
これはもう、パニックどころではない。
俺は、脳が情報を処理仕切れず 笑い出した。
「チカちゃん、好きだよ。」
…でも芝がキレーな目で俺を見るから。
「見る…な…ッ///」
「…チカちゃん?」
「帰、れ。」
「分かりました、分かりました。チカちゃん、かわいー。また来るね。」
芝が帰った夕方のコンビニ。
客は来なくて、
俺は耳まで熱くなってて、
「どーしよー…///」
あー。
なんて最低な給料日。
.....
あとがき。
芝チカです(^o^)!
チカくん受けもアリですね^^
ここまで読んで下さり 有難うございました!