saloon

□君に願いを
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いつから、だったのだろう。

「思徒様…」
「…ぐッ、か、は…っ」

いつから、こんなにもこんなにも
かなしいのだろう。


貴方の滑らかな肌に
吸い込まれる銀の刃。
飛び散る、血飛沫。

相変わらず、美しい。


「思徒様、思徒様、思徒様、思徒様、思徒様」


ナイフを滅茶苦茶に振り下ろしながら、

ウワゴトだけを

熱に浮かされたように繰り返した。



「ぐ、ぁ…、やめ、ろ…」

貴方は、弱々しく私を睨む。

すみませんねぇ、
でも貴方は、私に逆らえないのです。



冷たい床にうずくまる、
美しく無様な姿。




嗚呼、優しい思徒様。

体中に散るのは
駄犬の咬んだ、
紅い跡。

愛、なんて所詮貴方には似合わないのに。



忌々しい跡を消すように、
何度も、何度も、
紅い線を引いて。


甘い甘い、鉄の匂い。


「…ッ、く、そ…っ」


嗚呼、馬鹿な思徒様。

愛なんてそんなもの、
貴方は永遠に、望めないのに。

その代わり、この私が
ずっとお側にいて差し上げましょう。
痛みで全て、消して差し上げましょう。



──私だって、永遠に、
愛なんて望めないから。





「嗚呼、少しやり過ぎましたかねぇ」

「と、ほ…っ」

私には、貴方は殺せない。

私に縋る、
血塗れの貴方を
置いて立ち去る。

「大丈夫。すぐ血なんて、止まりますよ。

何せ、貴方は
バケモノ、ですからねぇ。」



何も叶わぬ世界でも
たった一つ、願うのは。



──貴方が、
私を嫌いであれば良い。







.....



あとがき。

ぬるーいっ!
ゆとり教育並みにぬるい
ってか
狂愛ものは書きづらいです;;

難しいですね;

久し振りに董奉にーさん出てきたけど
なんかごめんねにーさん←

こんな駄文ですが
ここまで読んで頂いて有難うございました!



 

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