saloon

□そんな、一日。
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!attention!


このSSは、城主の
スーツ、萌っえぇえぇえ!
という単純な思考回路によって作られたものです。
かなり将来を捏造している部分があります。
パラレル!です。
また、私の仕事上、一般的な会社というものをあまり知りませんから描写が適当なところがあるやも知れません。
それでも良い!という方だけどうぞ‥。↓










20xx年。

ARRCや彼岸人、アカシックレコード…、
それらの色々な運命のしがらみから解放されて。

Zローンのチカとシトはやがてそれぞれのローンを完済し、同じ大手の(!)証券会社に勤めていた。


「赤月」
「おう、なんだシ‥じゃなかった橘、」


入社一年目。
まだまだスーツに着られている感が否めない2人だが、最近なんとか仕事にも慣れてきたようで。


「お前がいない間に電話があって、お前の担当のクライアントが2時にかけ直してくれるらしい」
「了解ー」


2人の姿に、女子社員の視線が自然に集中。
こんな感じで、爽やかサラリーマンをやっている、午後1時。







「はー……」
「ふぅあーっ」


今日も仕事が終わり、駅へと向かう帰り道。
チカは歩きながら伸びをし、首をぱきぱき鳴らす。


「今日も残業長かったなー。しかも今日のコーヒー、ゲロマズッ!ほんっと、誰が淹れたんだか」
「…俺だが」
「はッ?!」


あははは、とチカは爆笑。


「なんでコーヒーメーカーであんなに不味くなんだよ!この世の物とは思えねぇ味だったぜ?!」
「…知らん、俺はただ女子社員たちが淹れてなかったから代わりにやってやっただけだ」


シトは少し赤くなりながらぼそっと言う。


「よーし、今日は飲むかー」
「飲むかー」


シトも棒読みでチカに続く。


「…え、テメェも!??」
「貴様は良くて俺は駄目だというのか?」


だって酒癖わりぃんだもん、とチカは少し考える。


「…別に良いが」


シトが少し拗ねる。
チカは焦り、

「やーめた。やっぱ今日スーパーでビール買って帰ろーぜ」
「ああ、」
「俺何か作っからさ」
「…オムライス」
「ヤダ、却下」


駅に向かう人混みに流され、2人は帰る。

スーツが少し体に重い、そんな、午後9時21分。







狭くてボロいアパート。
駅近1Kロフト付き、家賃は月5万円。
シトはチカの隣の部屋に住んでいる為、2人は一緒に食事をする。


「赤月」
「おう、今度はなんだ?」
「腹減った」
「またか!
わーった、わーったからもうちょっと待て!」


チカは何だかんだ言いながらもオムライスの為にごはんをケチャップで炒めている。
スーツの上着を脱ぎ、ネクタイを緩め、エプロンを腰に巻いて。

じゅうじゅう、
じゅうじゅう。

バターとケチャップがいい香りと音を運んでくる。
シトの腹がきゅるると鳴る。
こっそりと時計の針が示す時刻は、午後10時10分。









「むにゃ…シト…」

少しチカには甘ったるい夕食を食べ、缶ビールを三本飲んでチカは眠る。
ソファの上、酔いが心地良く眠気を誘う。

シトはチカの飲みかけのビールの缶を拾い上げ、残っているビールを口に含む(今日チカには烏龍茶しか飲まされていない)。
飲んでからチカの唇がそこに触れたであろう事を思いついて、シトの頬は酔いのせいだけではなくほんのりと染まる。






「可愛いなチカ、キスしても良いか?」

眠っているチカからは返答がない為、酔ったシトは勝手に唇を重ねる。

「…ん」

チカが、唇の感触に少し眉を寄せる。
2人とも己のしている事に気づかない、取り巻く世界は深夜零時。









夜明け前の静けさ。
あまりの静けさに、かえって目が冴える。
ふと目を覚まし、チカはゆっくりと目蓋を上げる。



「あれ、シト…」



シトの顔が、間近にあって。
見ると、中味があったはずのビールの缶が、空っぽで床に転がっている。


「こいつ、飲んだな…」


苦笑しながらも、シトの顔がとても近くにある、という状況にチカはどぎまぎする。
見慣れた顔のはずなのに、やはり改めて見ると睫毛とか長くて、ひとつひとつの造りがとても、整っていて。


「はあ…」


その寝顔は反則だ、チカは呟く。
すう、すう、シトは少し開いた唇から規則正しく寝息をたてる。
かっちりしたスーツを着たままの体は、ネクタイが緩みシャツがはだけて細い鎖骨が見える。




「!」



チカはそんなシトに見とれていたが、不意にあることに思い当たってはっとする。



シトがアルコールを飲む→キス魔になる→



…多分、キスされた。




こんなに顔が近いのも、きっとキスしたまま寝てしまった、と考えれば納得がいく。



「、はー……」


どんだけこいつは俺を困らせたら気が済むんだ。

チカは再びため息をつき。




「仕返しだっての」



ちゅ。


ぐっすりと眠りの世界に浸っているであろうその小さな唇に、そっとキスをする。




スーツを着たままの隣のシトに、布団を被せ、

午前4時。

チカはまた目蓋を閉じる。



隣にいる迷惑な恋人。

彼と過ごす明日がまた、
すぐそこまできている。






.....



あとがき。


五千打記念企画!
リク主さま、本当にいつも有難うございます。

こんなので良ければ召し上がれ^^
一応心だけはたっぷりこもってます!


そしてスーツは萌える!←


 

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