頂き物
□行ってらっしゃい、行ってきます。
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◆◆◆
今日から、また3日間の出張だ。
彼女は朝早くから、いつもどおりの家事をこなしながら
ぼくが出かける用意を手伝ってくれている。
のろのろと朝食を終えたぼくが、のろのろと歯を磨くのを横目で見ながら。
「自分のことは自分でしなさいよ、
そんなこともできないで、あんたあっちでどうするつもり?」
大丈夫さ、あっちでは王様と一緒に行動するんだし
魔法使いなんてあちらの国では珍しい存在なんだから
美女だってより取り見取り、傅かれながら豪遊さながらの旅行となるだろうよ!
・・・とは、とても怖くて口には出せなかったけれど。
「これでいいのね?あとは何か忘れてるものがあったら思い出して」
「それは無理な相談だよ、ソフィー。
忘れてるんだから今すぐに思い出せなんてできっこないじゃないか」
「あら、ごたくを並べている暇があるんなら、考えなさいよ。
あんたは世界一の魔法使いなんでしょう?
このぼくにできないことなんて何もないって
日ごろから偉そうに豪語してるじゃない」