頂き物

□僕の欲しいもの
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 今まで誕生日なんて興味はなかった。
 自分が生まれた日、年齢を一つ重ねるだけ。
 それ以上でも以下でもない、そんな認識しかしていない
 (もしかしたら認識すらしていないかもしれないが)
 昨日とも明日大して変わらない平凡な日だった。

 そう“だった”彼女に出会うまでは…。

 毎年僕の誕生日が近づいて来ると、そわそわとした様子で、

 骸様は何か欲しいものがありますか?

 なんて可愛らしく聞いて来るものだから頬が緩むのが抑えられない。
 本人はそれとなく聞いたつもりなのだろうが
 自分の背中に隠しきれていないのに気づかないまま母親に渡す
 プレゼントを必死に隠している子供のようだ。

 そんな彼女の姿がかわいくて僕はいつも気づかないフリ。

 そうですねぇ、僕はクロームが欲しいです、
 なんて言ったらクロームは困った顔で
 私じゃプレゼントにならないわ…、と小さく呟く。

 その声は勿論聞こえている、
 だけどそれさえも気づかないフリをして、どうしたのですか?
 とわざとらしく聞くとクロームは、
 何でもないんです、と慌てて何処かへ行ってしまった。

 少し苛め過ぎてしまったでしょうか?
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