やおよろず
□小噺[壱]
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ひとつ、ふたつ。
古ぼけ、苔むした石段を上ると、色褪せた朱塗りの鳥居が見えてくる。
石段の数は十と三、鳥居の数は二。
石段を上り切きると辿り着く小さな境内、その真ん中には寂れた堂が建っていた。
小さな小さな堂だ。
その堂は古い古い、古の時代からそこに在った。
ひっそりと、彼と共に。
ただ静かに。
【鬼婆の石饅頭】
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