やおよろず

□小噺[参]
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どかどかと騒がしい足音が、境内へ続く石段を上って来ていることに烏天狗は気付いた。
横になっていた縁から身を起こし、石段のほうへと視線を遣る。
すると、まるで烏天狗の視線に気付いたように足音が止まった。
直後、ガサガサと頭上の木々の葉が盛大に騒いだかと思えば、風のように飛び出た大きな影が境内へ飛び降りる。
荒れた境内にはビシリと亀裂が走り、派手に砂埃が巻き上がった。



【グロスミッチェル】

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