やおよろず

□小噺[肆]
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悪戯に吹き付ける風と戯れていた仔狸が、尻を蹴られて短い悲鳴を上げた。
今の今まで風に遊ばれて、あっちへ転がり、こっちへ転がっていた毛玉は、今度は縁に座り込んでいる烏天狗の足元へ転がって来る。
煙管を片手に、烏天狗はゆうゆうと煙を吸い込んで首を捻った。



【風飯綱】

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