やおよろず
□小噺[零]
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ちんとんしゃん
ちんとんしゃん
昔、昔、その昔。
昔語りで聞く世には、一羽の天狗が在ったという。
敵ばかりこさえて在ったという。
ひとりぼっちで在ったという。
ちんとんしゃん
ちんとんしゃん
ひとりぼっちの天狗さま。
そのうち他との道を閉ざして、ご隠居さんになったという。
ゆっくり、ゆったり、のんびりと、小さなお堂に居るという。
ちんとんしゃん
ちんとんしゃん
ちんとんしゃんてんとん
終
20081129
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“ちんとんしゃんてんとん”とは、三味線のオノマトペですよ。