「斬散花」
□遅刻
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ぼんやりとした視界に何かが映る。
それは多分、いや絶対に、
時計だ。
「うわーーっ、遅刻だー!!」
その少女は叫んで飛び起きた。
時計の短い針が示すのは7と8の真ん中。
時計の長い針が示すのは6の場所。
つまり、7時30分。
「どう頑張っても、7時の電車に乗れなーいっ。」
過ぎた時間の電車には乗れない。
朝から少女はタイムスリップしたい気分で一杯だった。
「ヤバいっ…。」
静かな家に少女の焦った声が響き渡る。
いつもの日常。
今日は少し、寝坊の度合いが酷いだけ。