おもちゃ箱
□その理由
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「角都ゥー…」
オレの名前をダラダラと連呼している奴
「角都ゥー…」
「うるさいぞ飛段」
「えー…。だってよォつまんねーんだもん…」
「黙って歩け」
「角都ゥー…」
壊れた時計のように
ひたすらオレの名前を呼ぶ飛段。
「角都ゥー…」
「…なんだ」
「おっ!!反応したなァ角都ゥ!!!」
何が楽しいのかオレには解らない。
「かっくずゥー♪」
「オレの名を呼んで何が楽しい?」
「ん〜?……何でって言われてもなァ…」
「……」
「まぁ、楽しーんだよ!!ゲハハハ!!角都ゥ!!!」
「………」
そんな飛段の笑顔といつもの特徴のある笑い声を見た。
だが
少しだけ…
少しだけ寂しそうな目も同時に見た。
「はぁ…なんかすっげー変な感じだぜぇ…ゲハハ…」
「…飛段…」
「お!なんだ角都!!殺んのかコラァ!!」
「少し黙れ。」
「〜〜ッ!!またそれかよ…何だよちくしょー…」
隣で文句をいいながら
俯いたまま飛段は歩く。
すると少し先に茶屋があるのが見えた。
いつもなら…
飛段の奴が寄りたいと騒ぐところだが…今日は騒がない。
「…はァーあぁ〜…」
「……どうした…いつになく元気がないな…」
「んー…別に何でもねーよ」
片手をひらひらとさせて
そっぽを向く。
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