紅と朱の瞳
□紅と朱の瞳。
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――ワインのようなその瞳…
オレと同じ場所に立ち
遠くを見つめるお前…
いつからオレは
お前をこんなにも離せなくなったのだ…
お前はオレとは違う…
故に
いつか必ず…
別れが来るのだ…
お前が去った時…
この心はどうすればいい…?
お前に触れ…
お前と交わした言葉…
お前と過ごした時間…
お前と共に見た世界…
この記憶は
どうすればいい…?
過去の時間は
永遠にさえ感じるほど長く
刻んだ記憶は
心などない…
だが…
お前と共に生きた時間は
鮮明に記憶に刻まれ…
孤高に生きた時間より儚いはずなのに
何よりも強く鮮やかに
心を満たす…
イタチ…
――オレは―…
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