三国無双短編集

□お酒の威力[U-18]
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 その夜の出来事は余りにも突然に起こった。
 自室で眠っていた甘寧は誰かが寝台に乗り上がる音と震動で目を覚ました。
「あ?誰だー?」
 まだ寝ぼけた甘寧の目に映ったのは我ら呉軍のうら若き軍師、陸遜。
「お前!何、どうした!?」
 甘寧は慌てて起き上がろうとしたが、陸遜に肩を押さえられ身動きが取れなくなった。
「抱いて下さい」
「はぁ!?」
 陸遜の口から出た言葉に甘寧は耳を疑った。
「私の事、好きだと言ったじゃないですか!」
 陸遜が驚く程真剣な眼差しで見つめてくる。
「それは…、ってお前酒クセーぞ」
 肩に置かれた手を振り解いて甘寧は起き上がった。
「酔ってんなお前」
「嘘だったんですか…?」
 掴まれた腕を払おうともしないで陸遜が見つめてくる。涙を浮かべて…。
「…嘘じゃねーけど酔った勢いでそんな事しても後悔するだけだぞ」
 可愛らしい顔を見せられ一瞬理性が飛びそうになったが何とか押し留まった。
「酔ってません」
「あのなー」
 全く説得力のない事を言う陸遜に甘寧はため息をついた。
「…嘘じゃないなら抱いてくれたっていいじゃないですか…」
「…わかった。わかったから泣くな」
 甘寧はまたため息をつくと、ボロボロと涙をこぼす陸遜を抱きしめた。
「後悔するなよ」
 そう言って陸遜の唇に自分の唇を重ねる。
「ん…ふ…」
 寝台に押しつけて口腔を深く攻め立ててやれば陸遜から切なげな声が漏れる。
「あ…ん…」
 陸遜の夜着の前をはだけさせ、酒ですでに上気した胸に唇を落とす。
「はっ…ぅ…、あ…あん…」
 胸の突起に舌を這わせれば陸遜の体が軽く跳ね上がる。
 酒のせいもあるだろうが少しの刺激で面白いほどの反応を見せる陸遜に甘寧の欲情はかき立てられる。
「あ…はぁ…、やっ…興覇殿…」
 しつこい程に胸ばかりを攻める甘寧の頭に陸遜の手が触れる。
「…どうした?」
 手で胸を刺激したまま、唇を首筋に移し耳元で囁く。
「…ん…興…覇…、もっ…」
 陸遜はもどかしい刺激に必死に言葉を紡ごうとしても、甘寧の巧妙な愛撫に喘ぎ声に変わる。
「もっと下?」
 そう囁けば陸遜が軽くうなずく。
 甘寧は満足気に笑うと、唇を下へ下へ滑らせていった。
 足を持ち上げて、太股に舌を這わせる。
 甘寧は陸遜自身には一切触れようとはしなかった。
「…あっ…興覇…、お願…」
 なかなか中心に刺激を与えてくれない甘寧に陸遜は自分から足を開き、腰を突きだし、愛撫をねだる。
「そんなにも欲しいのか?」
 意地悪そうに聞けば陸遜は涙をボロボロとこぼしながら何度も頷いた。
「ひぁ!…あっあ…ああ!」
 後ろを解すこともせずに、甘寧は自分自身を押し入れた。
「…やっ…興覇…そんな…急に…」
 突然の痛みと圧迫感に陸遜の体がガタガタと震える。
「…お前が欲しいって言ったんだろ?」
「…ん…でも…、あっ…あん…」
 それでも、何度も突き上げれば、陸遜の口から甘い声が上がる。
「あ…はぁ…、ん…あっ…こうはぁ…」
 陸遜は甘寧の背中に腕を回して、何度も何度も甘寧の名を口にする。
「…伯言」
 それに応えるように甘寧も陸遜の名を何度も呼んでやる。
「…あ…興覇…、も…イク…」
「…伯言…、じゃ…一緒に…」
 そう言って今まで異常に強く深く突き上げて、甘寧と陸遜は絶頂を迎えた。

「おい伯言、大丈夫か?」
 ぐったりしている陸遜に甘寧は心配そうに声をかけた。
「…眠い…」
 それだけ言うと陸遜は深い眠りについてしまった。
 甘寧はしょうがねーなとため息をつくと、汚れた陸遜の体を綺麗に拭いてやり、服を着せると自分も眠りについた。
 翌朝、昨晩の記憶をすべて失った陸遜に甘寧はそれはもうひどく怒られたという…



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