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□難攻不落
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僕は今日、彼女の驚く顔が見たくて、彼女の部屋までやってきた。
けれど……。
「ねぇ〜」
「何?」
「どうして無視するんですかぁ?」
「してないじゃん」
彼女は今日も卓袱台の上のノートパソコンとにらめっこし、仕事をしている。
仕事と僕、どっちが大事って聞いたら仕事って答えそうな勢いですぅ。
「僕が地球人の格好してることに驚いたりしないんですか?」
僕は彼女と同じになりたかった。
形だけ繕ったってどうにもならないってわかってる。
それでも、せめて形だけでもと意を決して地球人化してきた。
「ん〜…、いつかするだろうと思ってたから」
「えっ!?」
予想外の言葉に不意を突かれる。
「どうせやるんだったら、タママが私に合わせるんじゃなくて、私をタママに合わせるくらいしなさいよ」
そう言って彼女は僕に向かって何かを投げた。
僕は反射的にそれを受け取る。
「わぁ、チュッパチャプス♪」
「あげる。その味好きでしょ?」
「わーいvv」
僕は包装紙を剥ぎ取り、口に入れる。
口の中にプリンの味が広がった。
「ぷっ」
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