etc...

□難攻不落
1ページ/3ページ



僕は今日、彼女の驚く顔が見たくて、彼女の部屋までやってきた。


けれど……。


「ねぇ〜」


「何?」


「どうして無視するんですかぁ?」


「してないじゃん」


彼女は今日も卓袱台の上のノートパソコンとにらめっこし、仕事をしている。


仕事と僕、どっちが大事って聞いたら仕事って答えそうな勢いですぅ。


「僕が地球人の格好してることに驚いたりしないんですか?」


僕は彼女と同じになりたかった。


形だけ繕ったってどうにもならないってわかってる。


それでも、せめて形だけでもと意を決して地球人化してきた。


「ん〜…、いつかするだろうと思ってたから」


「えっ!?」


予想外の言葉に不意を突かれる。


「どうせやるんだったら、タママが私に合わせるんじゃなくて、私をタママに合わせるくらいしなさいよ」


そう言って彼女は僕に向かって何かを投げた。


僕は反射的にそれを受け取る。


「わぁ、チュッパチャプス♪」


「あげる。その味好きでしょ?」


「わーいvv」


僕は包装紙を剥ぎ取り、口に入れる。


口の中にプリンの味が広がった。


「ぷっ」



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ