novel?2

□white impression
1ページ/2ページ

ねぇ、国光さん。俺の前では、脱いじゃえばいいじゃん。
心も躯も、もちろんソレもさ。




【white impression】




だから嫌だったのに。
今日は、朝からスースーする部分を気にしてばかりで、部活にまったく集中できない。
周りが皆、ソコにばかり注目しているようで落ち着かない。

止めれば良かった、こんなこと。
断れば良かったんだ。何をやっているんだ俺は。




きっかけはそう、先週末。部屋の模様替えと片付けを手伝ったことだった。

重い箪笥を運ぶのは辛いだろう、と母の手伝いをかってでたが、箪笥の中の物を取り出し、整理まで始めたのは予想外だった。

そんな中からこの気まずい思いをする原因が出てきてしまったのだ。

「あら、こんなのまだ取ってあったのね。」
そう言って母が取り出したのは、白い箱。
ハンカチでも入っているのだろうか、と思っていると母が箱の蓋を開いた。
中から覗いたものは、女性ものの・・・

「か、母さんっ。はやくしまって下さい。」

「あら、国光ったらシャイな子ね。
色も白だし問題無いじゃない。
ただの、紐で止めるタイプの下着よ。」

下着・・・女性ものの下着。
いくら母親だから
と言って、そんな、その、大切なものは慎まやかにしまっておくものではないのですか?

「懐かしいわぁ、国晴さんをね、誘惑しようかしら、と思って若い頃に買ったんだけど、国晴さんは白より黒が好きらしくて買い直したのよ。」

父のそんな好みなんて聞きたくなかった・・・。
でも、その後に続いた言葉・・・そちらはもっと聞きたくなかった。

「私には必要無いわね。
高かったし、一度も使ってないし、国光にあげるわ。
履いてちょうだいな。」

にっこり笑顔でとんでもないことを言い始める母に、思わず耳を疑った。
俺が履く?それを!?

「な、何を言い出すんですか、母さんっ。
俺がそんな、じょ、じょ、じょっ」

「あらあら、そんなに慌てなくたっていいじゃない。
国光ったら、もう。
母さん、越前君も喜ぶと思うけどな。」

「えち、えちぜんが何故そこに!?」


母の口からとんでもない台詞がバンバン飛び出す。

越前と、その・・・付き合ってることは、母さんには言ってないのに・・・。


「あら、国光ってば。
国光のシーツや下着を洗ってるのは母さんなのよ。もうっ、水臭いんだから。
国光の下着、いつもの白い名前入りも可愛いけど、たまには刺
激も必要よ。
今度の休日、越前君お泊まりでしょ?母さん達もいないし、思い切って履いてみなさいな。
いい、国光。恋愛はね、努力を怠ったらダメなのよ。
たまには積極的に!!」

そんなことを言われても・・・。
というか、物凄く恥ずかしいことを知られているような〃

もちろん健全な思考を持つ、と自負できる俺は母さんの提案を素早く拒否したが、母さんは粘り強かった。

「男の子は、ここぞという時の思い切りが大事なのよ!!」

そうなのだろうか、こんなもので越前が喜ぶとでも?
万が一履いたとして、越前が喜んでも嫌だし、喜ばなくても、そう、少しだけ嫌な気がする。


「さぁ、国光、ファイトよ!!お母さん、お婿さんが越前君なら嬉しいわぁ。
頑張ってね★」


Next
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ