novel?
□ALL SMILE
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あの頃の俺達はひどく臆病だった。
自分でも持て余す程の初めての愛の形を抱えきれずに、闇雲に手を伸ばして。
離れていくことが耐えられないと、縛り付けておくために足掻き続けた、臆病者同士の恋。
【ALL SMILE】
隣りに座る、愛しい愛しい貴方と目があった。
普段より柔らかい雰囲気の中で、ふわりと笑う貴方。
その瞳の中には、確かに俺が映っている。
瞳が合う、逃げる、捕まえる、そして視線が絡み合う。
そんな小さなことが、こんなにも嬉しいなんて。
貴方を知って、貴方に受け入れられて、出口を失っていた思いの波が静かになっていくのを感じた。
もう、怖がらないで。
誰が貴方を裏切ろうと、俺だけは貴方に真実な人間であり続けるから。
それでも、不安になる時があれば、いつでも俺を試してくれればいい。
貴方の不安を取り除けるのであれば、俺自身は何度血を流したって構わないんだから。
どんな時でも揺るがずに、貴方を愛し続ける俺の心を、どうか知ってほしい。
安心して。
自然でいて。
いつでも笑っていて欲しいから。
ねぇ、笑顔を見せて。
どんな表情だって本当に好きだけど、笑顔は貴方の一番なんだ。
怖がらないで、全て預けてくれたって構わない。
貴方を支えられるような男になってみせるよ。
笑顔が見たい・・・。
永遠へと続く道を、笑いながら歩いて行こう。
大好きな貴方とともに・・・。
幼かった俺達の、壊れそうだった思いが、ねっ、今はこんなにも深く深く根付いて、全ての根幹を形成するようになったから。
あの頃の傷も今に繋がっているんだ。
泣きたくなるほど愛しくて、潰れそうになるくらい切なかった「恋」
一方通行だと思い続けた「恋」
二人の「思い」が繋がりって、今ここに確かにあるんだ。
輝く「恋」をあなたと共に。
いつだって、愛してるから・・・。
END