novel?

□橙日和
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コタツと蜜柑とカルピンと。

ゆったり流れる時間の中で。

一番暖かいのは、あなた・・・。





【橙日和】



「ねぇ、部長。」

「もう部長じゃない。」

「・・・名前を呼ぶのがちょっと気恥ずかしい男心なんス。」

「なんだ、越前?」

「だぁー、違う違う!!
『リョーマ』って呼んでって言ってるじゃん!!」

「お前が役職名で呼ぶ限り、お前はずっと『越前』のままだ。」

「ふーん、ねぇ、それってさ、名前で呼ばれたいってことだよね。
で、ちょっと拗ねてる、と。

かわいいんだから、国光さんってば。」

「・・・バカなことを言うな〃」


なんてやり取りを繰り返して、早30分。

自宅に国光さんを誘った土曜日の午後。
国光さんと庭でテニスをして、風呂にも入り、そろそろ・・・なんて不埒なことを考えていたら、母さんから留守番を頼まれてしまった。

・・・母さん、家にいたんだ。


俺の部屋で二人で過ごそう、と目論んでいたものの、国光さんは「客人が訪ねてこられた時に、すぐに対応できるように。」と言って、居間に留まったままだった。

いくら留守番だからって、国光さん真面目過ぎだよ。
そんな感じで、コタツで過ごすことになった午後。
当初の目的とは少し違った時間も、実は好きだったりする。国光さんを近くに感じられる会話も楽しいしね。

俺の前では、ちょっとだけ年相応の態度を示してくれるのも嬉しい。
膨らませた頬を手を伸ばして押せば、国光さんがくすぐったそうに身を捩った。
可愛い反応っ。思わず笑みが零れる。
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