novel?
□a few・・・
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「・・・越前。
本当は、俺のこと嫌いなのか?」
突然悲しそうな部長の声がした。
俺は驚いて反射的に顔を上げる。
「そんな訳ないじゃないっスか!!
俺ほど部長のことが好きなやつなんて、この世にいないよ!!
大好きなんだよ、ぶちょっ!!」
俺は息切れするくらいに叫んだ。
そんな悲しいあり得ない誤解、させてなるものか。
「なら、キスしてほしい、なんて思ってる、浅ましい俺に呆れたのか・・・?」
またまた悲しそうな声が続く。
そんな誘っている風な台詞まで・・・、どんだけの幸せ者だよ、俺は!!
「違うんだっ、違うんだよ部長。
ただ・・・俺なんかが部長に触れたら、天使みたいに綺麗な部長を汚してしまいそうで。」
-触るのが怖いんだ・・・。-
俯いてしまった俺と、何も語らない部長。
本気で見限られるかもしれない。あぁ、情けない、涙も浮かんでくるじゃんかよ。
だって、部長が俺にとっての天使なんだから仕方無いんだ。
次こそは、次こそは!!
と、自分でも支離滅裂な決意をしていた時に、突然部長に名前を呼ばれた。
声と共に、部長に顎を掴まれる。
えっ・・・部長?
そして、息を着く間も無く上を向かされると、心臓が止まるかと思うくらいに整った秀麗な部長の顔が近付いてきて・・・。
初めては、目を見開いたまま。
柔らかい部長の唇が俺に触れた。
部長からの、キス・・・。
「天使なんかじゃないっ〃
越前のバカっ。
そんなお前の妄想で、俺はこんなに待って・・・。
っつ。もう待っててなんかやらないからなっ。」
間の抜けた顔で部長を見つめ続ける俺。
顔を真っ赤にしながら、プイッと顔を向ける部長。
あぁ、そんな顔まで可愛いなんて。駄目だ、全部が全部可愛いすぎる。
大好きなんだよ、ぶちょっ!!