紅い雲の夢

□おやすみなさい
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重たい瞼を全力でこじあけ、机の下で隠れた右手は左手をつねり、人知れず
干柿鬼鮫は全身全霊を賭して睡魔と壮絶な戦闘を繰り広げていた。




鮫(眠い………)




目前ではリーダー、及びペインが普段とは打って変わる憮然とした態度で皆に今後の予定やら何やらを伝え
周りのメンバー達もそれに触発されてか、珍しく積極的に話を聞いている。

そんな中で、鬼鮫は独り、戦っていた。




鮫(眠い眠い眠い眠い眠い眠い)




こう言う日に限ってリーダーの話がやけに長い。
だが周りの良い雰囲気を壊したくないと、鬼鮫は必死に眠気に耐える。




ぺ「……ぁの、鬼鮫…」

鮫「ぁあ゙?なんですかリーダー」

ぺ「ひっ、あ、あの…怖い。さっきから殺気が…」

鮫「あー…すみません」




謝ってはみるものの、気は緩めない。
その瞬間気絶にも似た形で確実に意識が飛ぶのを鬼鮫は予測したからだ。




ぺ「ぁ…えーだな、続いてだが―――」




リーダーが話を再開した。
空気は相変わらずだったが、何処かピリピリしていたのを恐らくその場に居た全員が感じ取っていたに違いない。

暫く様子を見ていたイタチが、意を決した様に立ち上がった。




鼬「リーダー、少し出て来る。
…行くぞ、鬼鮫」

鮫「ぇ?あぁ…ハイ」




イタチに手を引かれ、鬼鮫は会議室を後にした。
バタム、扉が少々乱暴に閉じた瞬間




「「「「「「……はぁー」」」」」」




先程まで大人しく座っていたメンバーが、一斉に溜め息をついた。




飛「今日の鬼鮫なんか怖かったなぁ…」

泥「なんかこう…苛々してたな。うん」

絶「普段は優しいのにね」
「今日ハ、怖イ顔シテタ」

蠍「だがよ、そのお陰でお前等も真面目に会議を受けてたんだろ」

飛「だけどよぉー、やっぱ機嫌悪い鬼鮫は嫌だぜ?」

角「いずれにせよ、何か有った事は確かだな」

小「そのようね…」

ぺ「心配だなぁ…ていうか皆、会議は?ねぇ」





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