頂き物
□ブレオズ
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仕事を終えた、黒髪に金眼をしている男。
ギルバート=ナイトレイは、現在住まわせてもらっているレインズワース家の屋
敷を訪れた。
今日の任務は、対して重要なものではなく、殆ど無駄足と言っても過言ではなか
った。
(あぁ、疲れた。ただでさえ上司は変人だわ、不吉なオーラを放つ女はいるわ、肉
食化したウサギはいるわで毎日が重労働なのに…人形を切り刻む弟は最早論外だ)
そうギルバートは疲れて果てながら思考を巡らせる。そういえば、もう一人の問
題児である自分の大切な主人は、今何処にいるだろうか。
はぁとため息混じりにある一室に入ると、いきなり自分の懐に何かが抱きついて
きた感覚があった。
一瞬驚きながらも、今自分に抱きついてきた人物にギルバートは視線を落とし、
その人物を見て瞬きをした。
それは、今自分が思いを馳せていた主人、オズ=ベザリウスの姿だった。
いつもの彼なら抱きついてくるという行動は絶対しないだろう。
だが、今回は何かがおかしい。しかも、顔が何やら赤いような気がした。
「ギルぅ…、帰ってくるのが遅いよぉ。俺どれだけ待ったと思ってるわけ?」
まるで、帰りが遅くなった母親に涙ながらにすがり付く子供のようにオズは言っ
た。
「別に遅くないだろ?それに今日一日一人だった訳じゃないだろうし」
それをオズに言った時、ギルバートが驚愕する出来事が起きた。
突然オズがギルバートの肩を掴み、背伸びをした。瞬間ギルバートの唇が塞がれ
、突然だったということとオズの体重により、見事に押し倒されてしまう。
いきなりのオズの行動にギルバートは顔を真っ赤にした。
「おぃ…オズ…ッ」
キスの合間にオズの名を呼ぶが、オズは応えてくれない。
やがて、自分の唇の中にオズの舌が侵入してくる感覚がした気がした。
オズの舌はギルバートの歯並びをゆっくりと舐め回した後、舌を絡めとっていく
。
「んぅ…オズ…、お前さっきから様子がおかしいぞ……?」
「ギル…結構初々しい反応するね。昔と変わらず可愛いなぁ…」
くすりと笑って、オズはゆっくりと服を脱ぎ初めた。
そして、服を脱ぎ終わると再びギルバートの上に乗って、唇を重ねる。
キスをする毎に、オズとギルバートの唾液が絡み合って中身まで溶けそうな感覚
が過ぎる。
いや、それよりも何故帰ってきた途端にオズがキスをしてくるのか分からなかっ
た。
普段の彼なら、性別を考えてこんな事は絶対にしない。いや、相手が異性でもし
ないだろう。
だが、今日のオズはやけに様子がおかしい。まるで、何かに精神を支配されてる
ような…。
オズにキスなり舐めるなりを繰り返され、ギルバートは混乱した頭で、考えた結
論を得るために直接聞いてみた。
「なぁ、オズ。なんでお前はそんなに顔が赤いんだ?なんか酒に酔っているよう
に見えるんだが…」
ギルバートの質問に、オズの唇がギルバートの唇寸前で止まった。
しばらく考え込む仕草をするが、すぐにオズは行動を戻して続けてしまう。
「うぅんとぉ…、確か可愛いケーキを食べた時からだよぉ?ブレイクがねぇ、こ
れは食べちゃダメですよぉて言ってたんだけど、全部食べちゃってぇ、すごく気
持ちいい気分になったんだぁ///」
オズの答えを聞いて、ギルバートは何故オズがこんなになってしまったのか確信
した。