□愛娘
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「かあさま〜どこですかぁ〜」

愛しい我が子の声に気付いた千鶴は浜辺から家の方へ歩いていくと、玄関先につい先日三歳になったばかりの我が子がキョロキョロしていた。


「どうしたの?一人で外に出るのは危ないですよ」

そう声をかけると此方によってきて抱きついてくる

「だって、とうさまがよんできてっていうから……いこう!」


そう言うと嬉しそうに千鶴の手を握り引っ張っていく

目的地に近付くにつれて何故自分が呼ばれたのか分かり笑みが溢れた


「あぁ、千鶴……泣き止まねぇんだがどうしたら良いんだ?」


普段は男らしくかっこいい左之助がまだ生まれて間もない我が子にあたふたしている様子をみてまた笑みが溢れる


「あらあら、お乳が欲しいのかしら?」


千鶴はそう言うと左之助から我が子を受け取っるとピタッと泣き止みキャッキャッと笑っている

「……なんで泣き止むのかね…」

「そんなに落ち込まないで下さい。このぐらいの子は皆そうなんですから」

見るからに落ち込んでいる左之助に声をかける

「もう少し大きくなったら父様大好きになりますよ」



「わたし、とうさまだいすき!とうさまはすき?」


可愛い愛娘にだいすきと言われ顔が崩れている


「あぁ、とうさまも大好きだ!」

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