時
□If・・2
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「皆さん、ごめんなさい」
そう呟く声は小さく、音を立てずに背を向け去って行った
こちらに来てからというもの、ぼーっとしていることが多くなった千鶴に
「千鶴ちゃん、本当に良かったの?私と一緒に来て・・・」
「うん・・私のせいで皆が傷ついたり、大変な思いをするのは嫌だから」
無理矢理にでも笑顔を作って笑う千鶴をみて、たまらず抱きついた
「千鶴ちゃん。私たちが付いてるし、守るから。それに私たちは同じだから・・一生あなたのそばにいるわ」
首の後ろに回っている腕にそっと触れ、千鶴は一粒だけ涙を流した
一方、新選組屯所では男だちが集まって、話し合っていた
「てめぇら、よく聞けよ」
皆の前に座っている土方が眉間にしわを寄せたまま、口を開いた
「・・雪村がいなくなった」
その言葉を聞いたとたんに皆の顔が曇り、それぞれが反応を返した
「えっ!」
「それって、本当なの?」
「さがしてみたのか?」
「黙って出かけてるだけではないのですか?」
するとふすまの向こうから、千鶴の部屋を捜索していた山崎のこえがきこえてきた
「副長、ご報告が」
「入れ」
「失礼します」
そう言って、入ってきた山崎は一通の文を土方に渡し、受け取った土方は手紙を開いて読み始めた
『新選組の皆様へ 皆さんに黙って出て行ってしまい、ごめんなさい。
私は、これ以上迷惑をかけることはしたくないので、ここを出ていくことに決めました。風間たちから守ってくださってありがとうございました。そして、今までありがとうございました。
皆さんは、皆さんの思う道を進んでください。 雪村千鶴』
「なんでだよ!そんなに俺ら頼りなかったのかよ!」
「くそっ」
「どうしますか副長?」
そう山崎が声をかける
「探せ・・ここには探すなとは書いていないからな。それに、あいつは俺たちの監視対象だ」
END
私が考えるに、出て行ったりしても、何かと理由をつけて探しちゃうと思います。やっぱり皆さん千鶴ちゃんが大好きだから!!
また、感想など書き込んで頂けると嬉しいです。
宵闇