夢小説 短編
□ある、晴れた木曜日。
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3月5日、木曜日。
目が覚めると視界いっぱいに広がる自室の天井。
"重たい瞼を持ち上げるとそこは異世界だった!!"
なんて、現実にはないって理解出来る歳になったけど…あまりに代わり映えのしない日常に少し嫌気がさしていた。
うん、つい先月までは。
今は異世界にも飛ばされずまた日常の朝が来たことに喜びを感じずにはいられない。
今日もまた貴方に会えるなんて、私はきっと幸せ者だ。
時計に目を向けると…今6:30、いつもより30分も早く目が覚めてしまった。
気分はまるで待ちに待った遠足の日の朝、予定よりも早く目が覚めてしまった小学生みたい。
ベッドから降り、カーテンを開けると空は大分明るくなっていた。
日の出の早まりに、春が近づいてるんだなと実感。
春って好き。
(花粉症じゃないし)
色んな花が咲いて、生命の温かさを感じる。
時折吹く風も、凍えていた心身を優しく、温かく包み込んでくれる様で。
『ん〜ッ!!』
空に向かって大きく伸びをした。
さぁ、学校へ行く準備しよ。
今日も貴方に会いに。