おはなし
□そうそう、牧は学生だったよ
1ページ/4ページ
爽やかに晴れた朝。
今日は1週間のハジマリだ。
牧はいつものように教室のドアを開いた。
「おはよう」
クラスメイトに声をかけながら自分の席につく。
「おはよー!牧くん」
委員長が笑顔で話しかけてきた。
分厚いレンズのメガネに三つ編み。
まるで「委員長」を絵に描いたようだ。
彼女は小さな箱を牧に差し出した。
「今日は席替えの日だよ♪」
不思議そうに
箱を見つめる牧に
答えるように委員長は微笑んだ。
「くじ引いてね」
言われるままに
牧は差し出された箱に手を突っ込み、
くじを一つ取り出した。
「何番?」
興味津々といった様子で、
委員長は牧が開いたくじをのぞきこんだ。