おはなし
□まほうのランプ
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「……」
ランプの魔神は、気味悪そうにしょうゆせんべいを手に取って眺めていたけど、覚悟を決めたようで、ばりん、と一口かじった。
「……♪」
思ったよりおいしかったのか、バリバリと一枚、一気に食べた。
彼の手が2枚目のせんべいに伸びた時、私は声をかけた。
「あのォ、願いごとなんですけどォ…」
魔神は、
「あぁ」
と思い出したようにうなずき、せんべいをくわえながらチラッと私を見た。
「何でもかなえてやるぞ。ただし、死人を生き返らせることはできない」
「じゃあ、スラムダンクの世界に行くなんてことは…」
「それくらい、カンタンだ」
「できれば流川君の家に…」
私は、大阪商人のようにヘラヘラ笑顔でモミ手をしながらお願いした。
「うむ」
ランプの魔神がうなずくと同時に、あたり一面が、光に包まれた。
わ〜!何も見えないよ〜!!!