おはなし
□Red cliff――スラダンバージョンT
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ここは悠久の地、中国。時ははるか昔、後漢の献帝のころ。中国大陸も大きな歴史の波のうねりに身を委ねておりました。
大陸の北―――。
広大な領地と首都洛陽を治めるのは、牧ひきいる海南の国。献帝を擁立し、常勝海南の名を天下に知らしめているのでした。
海南の国に対抗するのは、湘北の国。若き闘将赤木のもと、中国大陸の南側、江東地方を悠然と治めるのでありました。
さて…。
洛陽の牧は会議中であります。
「江東を平定せねば…」
「あいつら、皇帝の印綬を持ってるらしいっすね!!!ガツンとやっちゃいましょうよ、牧さん!」
野ザル…じゃなかった、清田がキッキッと喚く。
「……」
牧は少々嫌な顔をした。
「しかし、湘北はいいメンバーが揃ってる。難しいな」
名軍師、神がぼそっと言った。牧も無言で頷く。
「そんなことないっすよ!こっちは常勝海南ですよ!自慢の水軍で攻めましょうよ!」
「そうだな。俺たちは水軍も陸軍も鍛え上げている…よし、清田、出陣準備だ」
「ラジャー!」
部屋を出て行く清田を見送る、牧と神。
神は牧に視線を移した。
「なんだ?」
神の視線に気づいて牧がたずねる。
「別に…」
神はニッコリ微笑んで、心の中でつぶやいた。
……老け顔対決……