小説『記憶』
□過去と向き合う宇佐愁星
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歩きながら
シュウは、考えていた。
『俺は…何万年も間違ってきたのは、志織さんと生きる事だけを目的に生きてきたから…。
今回もその為だけに生まれてきたのか
“君の魂を生んだカシオペアの神様じゃくて、人生計画をされている北極星の神様に”
頼まれて来たとケルビム★は言った…。
俺は、その神様と82歳迄この世で精一杯生きる約束をしてきたと言う。82歳迄…何を目的に…。
前世にできなかった事を達成する為か…。
失敗したことを償う為か…。
…そしたら…やっぱり、志織さんと生きることじゃないのか…。
違うのか。ケルビム★。何を間違っているんだ…。
“あなたは、自分の立場ばかり嘆いて、相手の気持ちより自分の思い通りの幸せな日常を送る事を望んで”
志織さんは、そう言った…。
あの人は、いつの時代も民の為に命懸けで生きた。
あの人は、いつも自分の幸せの為だけには生きて来なかった。
あの人は…それが幸せだと感じているからなのだろうか…。
“あの御魂と同じ境地にならなければ、未来は変わらないんだ”
同じ境地。
民の幸せの為に生きてきたあの人と同じ…。