小説『記憶』

□志 こころざし
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「何だろ…15って
子曰わく、学んで思わざるは、すなわちくらし。思うて学ばざれば、すなわちあやうし?
いくら学んでも、考えなければ、すっかり理解できないし、いくら考えても、人に学ばなければ不確かなものだぁ?
何か…見事に当てられて、痛いっていうか…厳しいって言うか。
まぁ、これは、たまに読むとして、他のを読も。」

積み上げた本の中から
次の本を探していた。

「こうやって…志織さんに甘えてる俺なのに、何も考えずに生きてきた俺なのに、あの女の子は、俺から元気を貰ったって言ってくれた…。
俺なんかが、誰かの心の支えになっていたのか…知らない間に。
…駄目な俺じゃなくて、本当に、沢山の人を幸せに出来る人間になりたい…。
俺のアテる声のキャラクターを通したりでも…観てくれてる人や聴いてくれている人を幸せにできる人になりたい。
でも…キャラクターによっても…セリフによっても…違うから。
役やセリフは、自分で、どうにかできるものではない。でも…とにかく、今のままじゃダメなんだ。」

志を見つけたが、悩みながら、答えを求める日々が続いた。
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