*小説之扉* †長編†
□第1章 運命の人
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“この日”は
私達の運命を
ことごとく変えた。
そう、その出来事は
突然にきたのだった。
「は?えっ…今なんて言いました!?」
「…だから、しょうがないでしょう?そうでもしないと死んじゃうんだから。いいですか?シスター・アレン。今この瞬間からトイレの時もお風呂の時も寝る時も1秒たりとも…繋いだその手を離す事を禁じます!頑張ってねーvV」
「「……………………………………………えええええええええええええええ!?」」
この叫び声が幕開けだった。
ここは帝国南西部にある小さな街“ターム”始まりの街
君と私が出会った街
これはある少年と少女の物語…
ザワザワ
『おいバカ見えないだろ』
『あれがうわさの?』
『シスターってあんな若ぇ娘がやんの?』
『こら、やめなよ。あんたら』
「あの…ではお願いします」
「はい、では治療をはじめます」
私の名前はアレン・ウォーカー。
シスターをやっている。
シスターというのは、今世界中で猛威を振るっている死の病。
俗に“トロイ”と呼ばれる病気を治療するために結成された特殊な職業である。
トロイは直接触れるだけで感染してしまう。一度発作を起こせば助かる手だてはない。
シスターは患者の体に触れることで患者のトロイを自分の体に吸い取ることができる。
「本当にありがとうございました」
「いえ、お仕事ですから」
私はこの仕事は宿命だと思っていた。
多分20歳までは生きられないと思う。
でも…
私達にも希望はあった。
世界のどこかにトロイにかからない人がいる。
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