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□【気持ちの問題】2010/07/28up!
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【気持ちの問題】


「サカモトくん、サカモトくん」


名前を呼ばれて台本から顔を上げた俺は目の前に立つケンを見上げた。


「ん?どうした」

「あのさ、今月2人誕生日だったじゃん?」

「おう、そうだな」

「お互い歳取ったよねぇ」

「そうだな…ってもお前は全然歳を感じさせないくらい若いけどな」

「えへへっそう?」


俺はマジマジとケンを見つめながら年齢より幼く見えることにやや羨ましく思いながら苦笑した。


「サカモトくんだって世間一般からでいえばオッサンだけどまだまだ若いよ!」

「……そうか?」

「そうだよ!」


ウンウンと頷きながら俺の隣に座ったケンは俺の肩に顔を埋めるとグリグリと頭を押し付けてきた。


「ケン?どうした?」

「……あのさ…」

「おう」

「…オレ達ってずっとずっと…これからも6人で居られるのかなぁ……」

「…………」


話題作りの為か週刊誌に何度も取り上げられた解散説にケンはいつも敏感だったが

今回は微妙に信憑性が高くてつい不安を抱いてしまったようだ。

……いや、もしかしたらケンの胸のうちの奥底に密かに抱えていた不安の一つでもあったのかもしれない……


話がリアル過ぎるから余計に誰よりも人を気遣うケンにとってファンを裏切るような噂やデマにいつも心を痛めていた筈だ。


「大丈夫だ…俺達はどんなことがあっても一緒に乗り越えてきた仲間だろう?

これからも6人で居られるように頑張っていこうぜ」

「……うん」


小さな返事を返すケンの肩を抱き寄せ頭をクシャッと撫でるとケンはギューッと抱きついてきた。


「オレ、頑張るから…だから」

「うん?」

「サカモトくんはおじいちゃんになってもダンス出来るように元気でいてよ」

「はははっ…お前もな」

「オレ達ずっと仲間だよね」

「当たり前だろ」

「うんっ」


ポンポンと頭を撫でるとケンはガバッと顔を上げ泣き笑いに近い顔で俺を見上げた。


「これからもずっと一緒だよ」

「ああ」



―――…長年、一緒に居ればいろんなことがある…それでも一つ一つそれらを乗り越えて家族とは違う6人の絆をこれからも作っていくんだ……




end

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