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□【ハロウィン】2015/10/31
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【ハロウィン 】〜パラレル学園もの〜
今年もハロウィンの季節がやって来た。
「俺狼男になりたい!!」
元気よく手を挙げて今年コスプレしたいキャラを叫ぶケンに煩そうにしながらゴウも無難なものを口にする。
「俺は吸血鬼」
「俺は…なんでもいいや」
「ハイハイ!俺はね〜やっぱり包帯男かな」
「ケンは狼男っていうより魔女の方が似合うんじゃない?」
「ええ〜っ」
オカダは特に興味がないのか我関せずと言った風に筋トレを続けていてその傍でクッキーを口にするナガノの言葉にケンは嫌そうに顔を顰めた。
「確かに!ケンちゃん女装しようよ」
「やだよ!俺は狼男になりたいの!そういうイノハラ君が女装すればいいじゃん」
「え゛っ…う〜ん…あっそうそうナガノくんはアリスのウサギとか似合いそうだよね」
「そう?なら俺はそっちでいいよ」
ケンの言葉にイノハラは慌てて話をすり替えようとナガノに振るとナガノはクスクス笑いながら紅茶を飲んだ。
「そうそう…狼男はどっちかっていうとサカモト君がいいんじゃない?」
「………それもいいけど、吸血鬼の衣装着てるの見てみたい」
「あっそれいい!ゴウより似合うよ絶対に」
「うるせー」
ナガノの発言を聞いてボソッと呟いたゴウにケンが同意するとゴウは軽くケンを睨んだ。
「むしろゴウがアリスの格好するか魔女かナースも捨てがたい……あっチャシャ猫もありかもね♪」
「………………」
にやにやと笑うケンの頭に無言でチョップを食らわせたゴウはフンッと鼻をならした。
「わりぃ遅くなった」
「サカモトくん遅いよ!」
「だから悪かったって…生徒会の奴等に捕まってたんだよ」
疲れた表情でネクタイを緩めたサカモトはナガノが飲んでいた紅茶のカップを取るとゴクコクと飲み干した。
「え?生徒会…なんで?」
勝手に飲み干したサカモトを怒る事もなくお代わりを注ぐナガノが訝しげに見上げた。
「今度のハロウィンパーティーに風紀も今年からちゃんと仮装しながら警護に当たれってさ」
「おっ生徒会公認で仮装オッケーでた!!」
「喜ぶなよ…ただでさえ風紀が乱れて大変だってのに余計なことしやがって…」
「まぁまぁ〜そんな嫌そうな顔しないで!俺としてはずっと参加したかったから嬉しいよ♪」
サカモトの両肩を揉みながら嬉しそうに笑うイノハラと何処からか大きな箱を持ってるオカダが目に入った。