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□【甘えん坊と怒りん坊】2015/12/04
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【甘えん坊と怒りん坊】


小さい頃からまるで双子のように気があってずっと仲良しのゴウとケン。

誰とでも直ぐに仲良くなり甘え上手なケンと神経質で意地っ張りの癖に人見知りで甘え下手なゴウと二人は真逆な性格だった。

唯一似ているのは二人とも恥ずかしがりやの照れ屋であるがメンバーが大好きというところである。

「ねぇゴウ」

「んー?」

「雑誌ばかり読んでないで遊ぼうよ」

「めんどくさいからやだ…筋トレでもしとけば」

「今日の分はやった」

「へぇー」

雑誌から目を離さないゴウにケンカは膨れっ面になりながらゴウに近寄った。

「んじゃサカモトくん達のところに行こうよ」

「は?やだよ」

「いいじゃん直ぐ隣の楽屋にいるんだし」

偶然別番組の撮影で楽屋が隣同士なトニセンとカミセンにケンは隣に行きたいのでゴウを急かしているのだ。

「一人でいけばいいじゃん!」

「まぁまあ」

無理矢理引っ張り嫌がるゴウを宥めながらケンは嬉しそうに隣の楽屋のドアを開けた。

「やっほー」

「やっときたかお前ら」

笑顔のケンと眉を寄せて無言のゴウに苦笑しながらサカモトが台本から顔を上げている。

二人のやり取りは隣の楽屋から丸聞こえだったのでメイクしていたナガノも笑っていた。

「相変わらず二人一緒だと賑やかだね」

「本当にな…ふだんは大人しいくせに」

「俺はいつも通りだよ」

サカモトに抱きつきながら嬉しそうなケンを軽く睨みゴウは二人の前のソファに腰を下ろした。

笑顔のケンと怒ってはいないけど怒ったような顔のゴウ。

二人の態度にナガノは面白そうに目を細めた。

「本当にケンは甘えん坊でゴウは怒りん坊だね」

「は?どういう意味?」

「サカモト君が大好きで甘えてばかりのケンと甘えたいのに甘えられなくて意地っ張りのゴウ」

「ちょっとナガノくんっ」

「俺とケンが居なくなったら少しでもいいから甘えるんだよ?」

「え?」

メイクを終えたナガノは立ち上がると抱きついてるケンの身体をサカモトから離した。


「あっ!?」

「ケン何かお菓子食べたくなったから付き合ってよ」

「ええ〜っ」

ズルズルと引っ張られたケンはサカモトをみてゴウを見て大きな溜め息を吐いた。

「ゴウ貸し1だからね」

「はあ?」

サカモトと二人きりになり一人焦るゴウにサカモトは台本を読み始めたのでゴウは恐る恐るサカモトの隣に座った。

「フッ…」

「……………何?」

「いやさっきナガノが言ってた言葉…」

「?」

「合ってるなと思って…“甘えん坊のケン”に“怒りん坊のゴウ”か…」

「……………っ」

にやにや笑うサカモトにゴウは一睨みして赤くなった顔を隠すようにサカモトの肩に顔を埋めた。

そんなゴウにサカモトは優しく髪を撫でながらそろそろイノハラも撮影終わる頃かと思い直ぐに繰り返されるだろう騒々しさに苦笑を浮かべた。



おわり

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