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□【センチな気持ち】2009/09/10up!
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【センチな気持ち】





「いいな…」

「ん?何がだ?」


コーヒーを飲んでナガノと談笑していたサカモトはケンの小さな呟きが耳に届き、ふと声の方に顔を向けると何故かムスッとした表情のケンが目に映った。


「ケン?」

「いいよね、二人は背が高くてさ…」

「は?」


ケンが羨ましそうに見上げるのをキョトンとした表情で見たサカモトはチラッとナガノと顔を見合わせるとナガノは微苦笑していた。


「そんなこと今更だろ?今日はどうしたんだ?」

「さっき新曲のミュージックビデオの撮影の時さ…オレとゴウだけ踏み台使ったんだよね…」

「「……………」」


ケンの言いたいが何となく解ったサカモトとナガノは何と声を掛けようか考えているとナガノの携帯が鳴り

ナガノはこれ幸いとばかりにサカモトの肩をポンと叩いて「あとはお願いね」と小声で囁くと足早に楽屋を出て行った。


「………マジかよ…」


ケンと二人残されたサカモトはナガノが出て行ったドアを恨めしげに睨み付けると早くゴウかイノハラかオカダが戻ってこないかと祈った。



「オカダなんか変にプライドが高いから嫌がって乗らなかったんだよ?オレとゴウはもう昔からだから仕方ないと諦めてるけど…踏み台を使ったことのないサカモト君達はいいよね…」

「……………」


ブツブツと拗ねながら呟くケンにサカモトは頭を掻きケンの座るソファに腰を下ろすとケンの頭をクシャッと撫でた。


「そんなこと言うなよ…そりゃ踏み台を使う頻度はそうないが一度も使ったことなんかないなんてことないし…

確かにお前は小さいけどお前にはお前の良さがある訳で…えっとつまりだな…俺達にはない可愛さとか

表現しにくいことだってお前なら自然に出来るんだからそこら辺は羨ましいなとは思ってるんだぜ?」

「……………」

「それにお前の小さな身体や独特の声だって身体的特徴からしてそのすべてはお前自身の個性なんだから他のヤツを羨ましがることなんかないんだ」

「……サカモト君…」

「俺は今のままのケンが好きなんだからケンはケンらしくしてたらいいんだよ」


ニコッと微笑みながらケンの顔を覗き込むサカモトにケンは小さく頷くとサカモトの首に腕を回し抱き付いた。



「ありがとうっサカモト君…オレもサカモト君が大好きだよ〜」

「おう」



ぎゅうとしがみつくケンの背中をポンポンと撫でながらサカモトは優しい眼差しでケンを見つめた。




――――…そんなサカモトが内心なんとか上手く丸めることが出来てホッとしていたことは言うまでもない……








おわり





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