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□【おねだり】2009/09/27up!
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【おねだり】




「なぁなぁケン…」

「何?」

「これ欲しい…買って?」

「………」


最近、ケンに対して普段なら絶対しない上目遣いで甘えるような声でお願いするゴウに、自他共に認める程の

ゴウ大好き人間のケンは最初は無視するも結局買ってあげることがコンサート中に何度かあった。


「……あのさ、ゴウ」

「ん?なんだよ」


先日買ってあげたばかりの雑誌を嬉しそうに読むゴウに声を掛けたケンはゴウの前に座った。


「今度おねだりする時はオレじゃなくて上3人の誰かに言ってよね」

「はあ?なんで??」

「上3人ならゴウの好きなものおねだりしたら絶対買ってくれると思うから」

「イノハラ君辺りとか?」

「うん、イノハラ君は驕るの好きだからね」


そう言ってニヤリと笑うケンにゴウが暫し考えているとケンは更に言葉を続けた。


「それにナガノ君も優しいから買ってくれると思うし、サカモト君は自分に甘えるゴウに喜んで何でも買ってあげると思うよ?

やっぱりサカモト君もゴウに甘えられるとはりきっちゃうしね」

「なっ誰がサカモト君なんかに買ってもらうかよっ!/////」


「他はよくてサカモト君はだめだなんて…サカモト君に対してだけ本当意地っ張りなんだから」

「うるせ!」

「もう少し素直になったら?」


何時の間にかからかう口調になりつつあるケンを睨むゴウは無視するように雑誌に目を通した時、ガチャガチャと楽屋のドアが開いた。


「おはよう…あれ?お前らもう来てたのか?早いな」

「サカモト君おはよう」

「…………」

「あっケン君達おったんだ」


サカモトの後ろからヒョイと顔を見せたのは美味しそうなソフトクリームを舐めているオカダだった。


「オカダ美味しそうなもん食べてんじゃん」

「まぁ君に買ってもらった」

「マジで?オカダばっかりずるい!」


オカダの言葉にケンはすぐさま抗議するようサカモトの傍まで行くと腰に腕を回して抱きついた。


「サカモト君オレもアイス食べた〜いっ」

「まだ来てないと思って買わなかったんだよ…ん〜、すぐ近くで売ってたから買ってくるか」

「やった!ゴウも行くでしょ?」

「…え?」


苦笑するサカモトはやれやれと財布を持ってケンを抱きつかせたまま歩くとゴウが雑誌を置いて近寄ってきた。


「……サッサカモト君…」

「ん?」


「おっお俺も一緒に行っていい?」

「ああ、オカダだけじゃ不公平だしちゃんとお前らの分も買ってやるからゴウもおいで」

「……うん…////」


珍しく素直に甘えるようなゴウにサカモトはにっこりと笑うとゴウの頭をクシャクシャと撫でた。


カミッ子達とは年が離れている分、昔は厳しく接していたサカモトだったがやはり甘えられると嬉しいのか

つい張り切ってしまうのは自分が三男で甘え上手だったから、今では自分より下の子に甘えて欲しいと思うようになっていた。


「毎回はだめだけど偶にだったら買ってやるよ」


甘えさせるだけでないサカモトからの言葉にケンとゴウは「は〜い」とよい子の返事を返してサカモトを引き連れ楽屋を出て行った。



一人残されたオカダだったがソフトクリームを食べ終え気分良く最近毎日の日課である筋トレを黙々とし始めた。





おわり


 

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