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□【ハロウィン】2015/10/31
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「ん?どうした」
ゴウに気付いたサカモトが首を傾げると無言で衣装をサカモトへと押し付けた。
「…………え?これ俺が着るの?」
「………………」
ゴウはサカモトを無視して踵を返すと再び箱の方へと向かった。
「……………やれやれ…」
サカモトはとりあえず渡されたものを身に付けようとするとナガノが「手伝うよ」と笑顔で近づいてきた。
「お前また何か企んでねぇか?」
「まさか〜今以上により素敵なサカモト君へと変身させようと思ってるだけだよ」
「………………」
何か言いたそうなサカモトの背中を押して仮眠室へと向かうナガノの後ろ姿は悪魔の尻尾が生えたような気がした。
「んじゃ、サカモト君はナガノ君に任せて俺達もとりあえず着替えてみよう♪」
イノハラの楽しそうな声と共に各々が好きな衣装を手に取り着替え始めるとやはりお互いが気になるのかちょっかいを掛けては悪ふざけを繰り返していた。
「みんなお待たせ〜」
いつも以上の爽やかな笑顔で仮眠室から出てきたナガノは良い仕事を終わらせたとばかりに足取りも軽く感じた。
「ってあれ?みんなも着替えてたんだね」
メイクをしなくても十分可愛いナースの格好をしたケンをまず見て、包帯を巻きながら変なダンスを踊るイノハラをみやり、
かなりリアルなゾンビ姿のオカダに苦笑して最後に膨れっ面をしたゴウを見てナガノは微笑んだ。
「ゴウ似合ってるね」
「……………」
ナガノの言葉にチラッと見つめゴウは恥ずかしそうに顔を逸らした。
「ケンがやりたいって騒いでたのに結局ゴウが狼男になったんだね」
「ナース姿の方が興奮するでしょ?ニシシッ…これでサカモトくんを誘惑するんだ♪」
「おい!ケン」
「なぁに?」
「ふざけんなよ…」
ケンの言葉に反応したゴウがケンを睨むとケンは知らん顔をしてイノハラに抱き付いた。
「きゃ〜っゴウがこわぁい」
「おっケンちゃ〜ん♪俺が助けてあげるよ」
「俺から抱きつくのはいいけど抱き返すのは無しだから」
「えぇっ?!」
「力入れたら罰金ね☆」
ガーンとショックを受けるイノハラを小悪魔な笑顔でからかうケンにナガノが苦笑していると仮眠室からサカモトが出てきた。