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□【寝 顔】2009/03/18up!
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【寝 顔】
「おっはよう!!」
元気に楽屋に入ってきたイノハラにオカダは慌てて口元に手を当て「しぃ〜っ」と言ってイノハラを軽く睨んだ。
「え?え?何…」
訳が解らず1人ポカンとしているとオカダがそっと指を指したのでその方を見るとイノハラは慌てて口元を押さえた。
「ちぃ〜す」
イノハラの背後から顔を覗かせながらゴウが怪訝そうに声を掛けるとイノハラは慌ててゴウの口を手で覆った。
「むぐっ?!」
突然のことに驚いてイノハラを見上げるとイノハラが右手の人差し指を口元に当て「しぃ〜」というポーズにゴウは思わず首を傾げた。
イノハラがそっとゴウの耳元に顔を近づけて「あっちで寝てるの」と小さな声で囁くので更に眉を寄せた。
イノハラは身体をずらしてゴウからも見えるようにするとゴウがヒョイと覗き込むよう奥に視線を向けて納得したように頷く。
「…ジジイが寝てる」
イノハラが手を離すとゴウがボソッと呟きながら足を忍ばせながらそっと歩を進めゴウより先に来ていたケンが
ゴウに気付くとニッコリと笑いながら手招きして、その隣りではソファの横に座り込みながらウトウトするオカダの姿もあった。
「………すぅ…すぅ…」
ソファでは台本を読んでいて疲れからか眠ってしまったらしいサカモトが気持ちよさそうに小さな寝息を立てながら穏やかな表情で眠っている。
ゴウとケンがマジマジとサカモトの寝顔を見つめながら顔を見合わせてニシシッと笑い合っていると
イノハラがそっと近付いてきてタオルケットをサカモトに掛けて上げた。
「珍しいよねぇ…サカモトくんが寝てるなんて」
「もうジジイだから疲れが溜まってんだろ」
「いっつも若作りしてるからねぇ…きゃはは」
「こらこら…もう少しサカモトくん寝かせてあげようよ」
「「うん」」
イノハラがそういうと2人はサッと立ち上がり寝ぼけ眼のオカダを引き連れ隣りの部屋に移動した。
入れ替わりにナガノが入ってくるとイノハラは「サカモトくん見ててね」と告げて自分もカミッ子達の後を追って行った。
「……………」
ナガノはチラッとサカモトを見下ろしてニッコリ微笑むとサカモトの台本を取り軽く丸めてポンポンとサカモトの頭をたたいた。
「起きてるんでしょ?良かったね…みんな優しい子達でさ」
「………ああ…そうだな」
実はイノハラが来た時点で最初から起きていたサカモトはタイミングが掴めず狸寝入りしていただけだったのを
ナガノは見抜いていたらしくサカモトはニヤリと笑うと目を開けて嬉しそうに微笑んだ。
「アイツらも成長したんだなぁ」
「本当にね」
昔は誰かが寝ていたらすぐ誰彼かまわず悪戯したり騒ぎまくってサカモトに怒られていた下4人の成長に感慨深げにサカモトとナガノは目を細め笑い合った。
end