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□【撫でる】2009/19up!
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【撫でる】
サカモトが台本を読んでいるとオカダが寄ってきたかと思うと何故かジッとサカモトを見つめたまま動かない。
「……オカダ?俺に何か用か?」
「………別に…」
「………………」
声を掛けると首を横に振るも何故かそこから動く気配もなくジッと見下ろしたままのオカダにサカモトが困惑しているとイノハラが寄ってきてニッコリと笑みを浮かべている。
「サカモトくんサカモトくん!ジュンちゃんはねぇサカモトくんに頭を撫でて欲しいんだよっ」
「は?頭を…撫でる??」
「イッイノッチ!!余計なこと言うな」
「さっきナガノくんがケンちゃんの頭よしよしって撫でてるの見て羨ましがってたじゃん」
「アホか!そんなんちゃうわ」
「ウッソだぁ」
「……………」
真っ赤な顔で否定するオカダとニヤニヤ笑いながらからかうイノハラを見てサカモトは小さな溜め息を吐くと立ち上がり
オカダの頭をくしゃっと軽く撫でるとニッコリ微笑みながら「いつでも甘えていいんだぜ?」と言い、
イノハラの額を指でパチッと小突くと「お前もからかうなよ」と一言言って楽屋を出て行った。
「「……」」
頭を撫でられたオカダは嬉しそうに「ヘへっ」と笑うとチラッとイノハラを見てイノハラが羨ましそうな表情をしているのに気付きニヤリと笑った。
「イノッチも羨ましかったんやろ?」
「…っ」
「イノッチも偶には素直になった方がええんちゃう?」
そういうとサカモトの後を追うようにオカダも足早に楽屋を出て行くのを呆然と見送るイノハラをナガノは苦笑しながら見つめていた。
「人気者はツラいねぇ」
ナガノはチラッと隣りでゲームに集中出来ずに1人むくれているゴウを見てクスッと笑いながら
“ゴウも素直に甘えられるようになれたらなぁ…”と内心思いながらも、こっそりPCに今日の5人の観察日記を書き込み始めたのだった。
end