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□【まだまだ子ども】2009/04/30up!
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【まだまだ子ども】
「いのっちはまだまだ子どもやね」
「ふえ?」
ぽつりと呟いたオカダの声にケンとゲームをしていたイノハラは顔を上げきょとんとオカダを見つめた。
「俺が子ども?なんで??」
「だってケン君とゲームしながらキャッキャ言い合ってる…ゴウ君の方が大人みたいやんか」
「…………」
オカダの言葉にイノハラはゴウに目を向けるとゴウは無言で台本を読んで集中しているようだった。
「あれって確か後でサカモト君が読んだかチェックするからって言われたから必死に覚えようとしてんでしょ?」
「あっ!!やばい…オレも覚えなきゃナガノくんに言われてたんだった!!」
ケンは慌ててコントローラーを手放すとバックから台本を取り出しいそいそとゴウの傍へ行き台本を読み始めた。
「え〜っケンちゃんゲームは?!」
「あとでね〜」
ケンの言葉にガックしと肩を落としたイノハラは溜め息を吐きながらゲームを止めるとその場にゴロンと横になった。
「いのっちは覚えんでええの?」
「オレは大丈夫だも〜ん」
「ふぅん……おれな、ちゃんと台詞覚えたらサカモト君に頭撫でて貰う約束してんやで」
「……えっ!!?」
オカダの言葉にガバッと身体を起こしたイノハラだったが同時に楽屋のドアが開きサカモトとナガノが個別の取材から戻ってきた。
「……何してんだ?イノハラ?」
「髪の毛ボサボサだし、衣装も汚れるから寝転んだりしたらダメでしょ」
「………はぁい…」
ナガノに注意されて頭を掻くイノハラを余所にオカダは嬉しそうにサカモトに近付いて行くとサカモトの袖を軽く引っ張った。
「ん?どうした??」
「あんな…覚えたで?あとダンスもチェックして欲しいんやけど…」
「ああ…なら別室に行くか」
「おん!」
サカモトがオカダの頭をくしゃくしゃっと軽く撫でると嬉しそうに笑うオカダを見てイノハラは羨ましげに見つめていた。
「ゴウ、お前も覚えたならダンスのチェックするから来いよ」
「………わかった」
「オレもオレも!!」
「ああ、ケンもな」
台本を閉じてサカモトの方へ駆け寄るケンと素直に付いてくるゴウを連れてサカモトは楽屋を出ようとした。
「そうだ…イノハラ」
「ふえっ!?何々??」
「お前はナガノに見てもらってダンスもチェックしとけよ」
「…………うん…」
それだけ告げるとサカモトは別室へと3人を引き連れ出ていくのをやはり羨ましげに見送るイノハラにナガノは苦笑しながらポンポンと頭を撫でた。
「早く覚えたら一緒にダンスチェックして貰おうか」
「……うん!」
少しずつ成長してきたイノハラでもやはりカミッ子達と一緒にいると年相応になることにまだまだ子どもだなぁと思うナガノだった。
end