ノベルレビュー

□ひとかた
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管理人的評価
文章力     85点
構成力    100点
キャラメイク  95点
独自性    100点
総合      98点
―管理人にとっての「My Best Nobel」―
さて、今までケータイノベルばかりを紹介してきましたが、そろそろアドベンチャーゲームもレビューを書いていきたいと思います。管理人の採点基準を示す意味でも、この作品をご紹介しましょう。PC用の読み物では金字塔とも言える作品、「ひとかた」です。
まず、先に欠点から。この作品はめちゃくちゃ長いです。全て読み終わるのに平均10時間かかると言う怪物です。この長さにも作者の狙いがあるんですが、これはいくらなんでも一般受けしにくいでしょう。特に、ケータイノベルの愛読者には辛いかもしれません。ケータイの場合では、読むのに一時間かかれば長編の扱いされますし。
また、主人公の言動がかなり下ネタ入ってますw管理人はあまりの馬鹿馬鹿しさに笑えてしまうんですが、ここも一般受けはしにくいポイントだと思います。
さらにさらに。主人公はかなり「ふしだら」で、話の中で、3人の少女と関係を持つと言うところも・・・。純愛以外は認めない!と言う人からしたら腹立たしいかもしれません。
要は、「粗い」作品なんですよね。あまりに極端で、あまりに露骨な所があるので、全員が一致して、「良い作品だ!」と言うものではないです。嫌いな人はとことん嫌いになるかもしれません。
ただし、この作品を「最後まで」読んだ人の9割以上が、この作品を良かったとコメントしています。いくつかの欠点なんてどうでも良くなるほどの素晴らしい文章力、構成力があります。
まずは文章力。プロに比べれば、うまい!と唸らされる、というほどでもありません。しかし、簡潔で映像的な文章は物語にしっかりと奥行きを出しています。キャラクター同士の会話も軽快でよどみが無く、すいすいと読むことができます。飾ったり、かっこつけたりはしないけれど、確かにうまい。そんな文章です。
次に構成力。ここが、この作品の最も素晴らしいところだと思います。序盤はともかくとして、中盤以降はこの構成力に魅せられてしまいました。謎の真相、そして結末が気になってしまい、休憩することすら躊躇われます。10時間ぶっ続けでやって、徹夜してしまった、という読者の方もいると聞きますが、管理人も納得できます。
また、この作品の独自性は文句なしで100点。これはどなたもが認めてくださると思います。やってみればわかりますwこんな形の作品は、他にはないです。
最後に、キャラメイク。どのキャラクターも個性的で、魅力があります。旅館のおかんなどの細かいキャラクターまで、手を抜いていないな、と感じます。しかしそんな中でも、ずば抜けて主人公の南護が素晴らしい。序盤は完全にアホですwそして、エロですwしかし、注目すべきは後半から。護の気持ちは痛いほど分かりますし、一見矛盾したような結論も、首がもげるほどに頷けます。最後の最後まで、護の気持ちは揺れ動きますが、それを支える周囲との絆は本当に感動的です。こんなバカみたいな奴と友達になりたい、とすら感じてしまいました。
 この作品を例えるとするなら、絶壁に打ち寄せる荒波。荒々しいその姿は人を選ぶでしょう。しかし、圧倒的な力強さと、荒々しいゆえの美しさがあります。この作品で管理人は人生観が変わりました。生きているとは素晴らしい、人間って美しい、と思えた作品です。確かに長いですが、時間を割く価値は十二分にあります。管理人もこんなものを作りたいと常々思っています。
ひとかたは、ヤフーとかで「ひとかた」と検索したら、すぐに出てくるし、無料でパソコンにダウンロードできます。管理人の最終目標となっている「ひとかた」を、皆さんも是非プレイしてみてください。

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