ノベルレビュー

□危険極まりない恋愛
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管理人的評価
文章力     60点
構成力     55点
キャラメイク  55点
独自性     70点
総合      60点

―多くの読者をひきつけ、書籍化に至った恋愛小説―
 第六回レビューは「危険極まりない恋愛」。興味惹かれる題名でしたので、見つけるや否や、読んでしまいました。多少ネタバレがありますので、ご注意。
この作品、題名にもインパクトがありますが、内容もまた衝撃的。まず、始まりは殺人現場。そのまま、殺人者との恋愛。さらに、主人公が誘拐されてしまい…。「アン○ェア」ばりの展開の速さで、一気に引き込まれます。また、最後はどうやって終わるんだろうと気になってしまい、途中からは読まずにはいられなくなりました。読者の腕を取り、凄い力で結末へと引っ張っていくような作品です。
 それだけではありません。この作品、もちろん恋愛小説なんですが、その一言で片付けるのはもったいない。「罪と罰」、「善と悪」といった、少し重いテーマが、読者に投げかけられているのです。それも、殺人鬼と恋に落ちるという面白い設定があってのこと。
「悪を肯定する内容で、不快だ。」
なんて意見もあり、賛否両論が数多くあるようですが、どちらにしろ、読者を引き込み色々なことを感じさせることができるというのは、よい点だと思います。
 次に、欠点についてですが…、少しリアリティがない気もしました。殺人鬼が主人公の家に上がりこむ理由もいまいち現実感がないし、その殺人鬼にどうしてひかれてしまったのか、よく分からない。「ワイヤー使い」っていうのも、「必殺仕○人」じゃないんだから、って感じで、ちょっと「ハテナ」でした。その気になれば、いくらでも修正できる点ですので、そこはもったいなかったですね。(実の所、現実感については管理人も偉そうに言える立場でないんですけどw)
 もうひとつ言うのなら、もっと心の葛藤を書いた方が面白かったのではないでしょうか。悪を肯定、まではいかないにしても、やはり殺人について思慮が足りないという感はありました。結果的に、登場人物が同じ行動をとるにしても(警察に通報しないとか)、内面の葛藤を描いていれば、読者も納得しやすく、奥が深い物語になっていたと思います。先程も言ったとおり、非常に面白い設定で、いくらでも膨らみそうなのに、それを活かしきれてないと感じます。余計なお世話かもしれませんが、かなりもったいないと思いました。
 テーマとしては、非常に面白いし、ものすごく惜しい作品だという印象です。そうはいっても、全然だめというわけではありませんし、管理人としては、むしろ好きな作品。(どこらへんが?と言われると、また長い話になるので、そこは9月18日の日記参照。)せつない悲恋が大好きなら、この作品はきっと楽しめるでしょう。作者さんの次回作に、大いに期待します。ありがとうございましたm(_ _)m

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