ノベルレビュー

□call pure pain
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管理人的評価
文章力     80点
構成力     85点
キャラメイク  75点
独自性     80点
総合      80点

―「痛み」を多角的に描いた、個性的ノベルー
第7回目は再びPC用デジタルノベルのレビューを書かせていただきたいと思います。タイトルは「call pure pain」。8月10日の日記の通り、実はかなり前にプレイしたものなんですが、かなり遅くなってしまいましたwこの作者さんの作品は1作目から好きだったので、多少贔屓目も入るかもしれませんが、ご勘弁を。
まず、よくできているなと感じさせるのは、テーマをがっちりと決めて描いていること。「痛み」と言えば、肉体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアルペインなど色々ありますが、この作品もいろいろな側面で捉えていると思いました。肉体的苦痛については雫、精神的苦痛は主人公、社会的苦痛については涙が中心になって描かれている。これはとても面白いと感じました。精神的苦痛などは、患者側でないと分からないところもあります。「心筋炎」、「治らない」という言葉で、主人公が不安や精神的苦痛を受けるシーンには、共感できました。
また、十分に下調べをして、正確な情報に基づいて書こうとする努力には、とても好感がもてました。「医師が諦めた患者でも、主人公が心臓マッサージすれば蘇生した。」、「殺し屋はワイヤー使い。」など、微妙に「?」と感じる作品もレビューしてきましたが、この作品はそんなことが一切ない。病院における日常も妥協することなく正確でしたので、物語をリアルに想像する事ができました。
ただ、少し気になった点を上げるとするならば、一文がかなり長々と続く時があったかな、ということ。つまり、読点を打ったり、文を二つに分けてもいいんじゃないかな、という部分がいくつかあったように思うのです。文章力自体はかなり高いので、そこがちょっと目に付きました。
恋愛要素もなければ、キャラ同士の対立や争いもないので、見る人によっては退屈しそうではあります。個人的にはかなり好きなんですが、一般受けはしにくいかもしれません。しかし、食わず嫌いは損と言うものです。ぜひとも、「痛み」が「優しさ」に変わるという意味を、この作品から感じてみてください。作者さん、ありがとうございましたm(_ _)m

(ちなみに、この作品はケータイでは読むことができません。パソコンのインターネットを使い、「呼び声のするトコロ」で検索すれば、作者さんのホームページが出てきます。そこからダウンロードしてください。)

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