□エメラルドグリーン
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その資料にはこう記されていた。


『更信ツヅキ
性別男、戸籍日本
彼は十年前からファミリーに所属していたと思われる。
ドン直々の推薦にてBack executive(裏幹部に就任)、その後十年間アンダードンよりも側でドンを支えてきた。
彼の刀銃は誰もが目を見張るほどで特にスナイパーとしての実力は計り知れない。
がしかし、ドンは彼に固く殺傷を禁じていた。その為交戦などになると護衛スナイパーとして彼らの刀銃を撃ち戦闘を有利にする立場にあったと言える。
男娼と謳われていた時もあったがファミリー内の者はそれを全否定、それについたはなかったと言える。
彼はドンを崇拝していたのか命令には逆らうことはしなかった。
お互い信頼関係があったと言うがそれについては不明。』


一枚目を見終わりどことなく彼が真選組に入隊した理由がわかった、犯罪経歴なし超人と言える身体能力。
命令には従うという忠義心?


「失礼しやす、山崎が資料もってったって聞きやした。見せてくだせェ。」

土方は目を向けることなく読み終えた資料の一枚目を渡した。
そして土方は二枚目を読み始めた。



『彼の身体的特徴とプロフィール
エンジ色の髪眉毛以外の体毛は白い、肌も白く瞳は瞳孔もエメラルドグリーンである。
入隊検査時の身体
身長170cm体重50kgの痩せ型。
年齢は29から31と血液検査にて判明。
また、B型肝炎C型肝炎などの血液疾患に対する免疫は持っており対峙に支障はない。
また、血液により地球人であることも判明されているが、少し夜兎と辰羅と思しき血液反応も確認されたがそれについては不明であり地球人であることには間違いはない。』



二枚目も読み終わり資料が少なすぎる、わからない。過去に何をしたのかどうやってファミリーに属したのかそれからはどういう過程を得て生きていたのか。

山崎のことである仕事はしっかりこなす、手抜きはしないということを知っているがあまりにも少ない資料にため息をついた。


ほどなくして沖田も資料を読み終わったが土方と同様ため息を漏らすのみであった。


「なんですかィこりゃあ何もわからねーじゃねーか。何やってんだ山崎は。」


「……いや、違うな。更信に対する文献や証言が少なすぎんだ、あいつは今までどうに生きていたかも山崎でさえ調べがつかねーほどに謎なんだ。」



土方はタバコに火をつけ大きく肺にヤニを取り入れた。そうしないとやっていけない気分だった。





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