□赤黒い身
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「だーれだそりゃ」


松平から出た言葉に返事をした。
その言葉にはドンという言葉が紡がれておりそれに対しての返事である。



「……………」



松平は黙りなんとなく意味を察したかそれ以上、ドンという言葉を発することなく対峙について説明した。


「更信ちゃんはしっかりやってると思うがねェ。真選組のヤローどもから反発の声があがっててなぁ。」


「はぁ」


やる気のない返事はだるそうにしていた二人をさらに怠くさせ、松平は資料を渡した。


「一週間後にある対峙の資料だと、明日からの会議にでろとさ。じゃねーとクビだとかほざいてやがる。」



素直にそれを受け取った更信は「クビはごめんだな。」と呟きその場を出た。









「キャア!引ったくりよ!」


その声は歩いていた更信の後方から聞こえ後ろを見ればナイフを持った男が走ってくる。
見逃すのは流石になぁ、と大きく体を伸ばした。

大体の人間は関わらないよう身をひそめる、むしろ気がついていないような様子で歩いていく。


その姿に無性に苛立ちを覚えた。


「チッ………」



前を向いた更信はゆっくり歩き出す。タバコをくわえ火をつけた、そして大きく吸い込む。

犯人が真横を通る瞬間膝を後ろに突き出しそれは鳩尾にあたる。
走ってきたスピードが早いだけありその衝撃は大きく跳ね返るように仰向けに横たわり唸った。



「真選組副長補佐のお出ましだァ、なんて。」




うずくまる様子にタバコを吹かし胸元から先程もらった資料を出しその紐を解き腕を括る。




「ありがとうございました。」


パトカーを呼んで十分、原田が担当した。
犯人は静かにパトカーに乗せられ、その場に残った二人は軽く会話をし別れる。






「討伐か」





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